いつ頃からか、人生を諦めるようになり、まあこれでいいやとか、こんなもんかなと思いながら毎日を過ごすようになっていた。学生時代に仲の良かった友人は、社会人になってから次第に減り、今は1人しか友人と呼べる存在はいない。
恋人や好きな人なんて当たり前にいる訳がない。恋愛経験が0という訳ではないが、過去に付き合った人達とはさほど長く交際が続いた訳でもないので、実質的な経験値は0に等しい。
焦っても仕方がないと自分に言い聞かせ、一緒にいても楽しいと感じられない相手と無理に仲良くしても仕方がないと言い聞かせ、気がついたら周りにほとんど人がいなくなっていた。
こんな人生が楽しいはずがない。生きてることに楽しみを見い出せず、ここから居なくなりたいと願うものの、死ぬ勇気もなく、ただダラダラと毎日をやり過ごしていた。
今、30代を目前にして、本当にこれで良いのかと考える時間が増えた。
私には親も姉もおり、親はまだ元気で、姉も独身だ。私は実家暮らしなので、家にいると孤独と直面する機会は案外少ない。それも相まって、ただ時の流れに身をまかせ、何となく仕事をしてお金を貰い、たまに好きな物を買ったりして、そういう人生でいいんだと思いながら貴重な20代の殆どを過ごしてしまった。
自分が歳を取るように家族も歳をとっていく。親も少しづつ歳をとっていることにようやく気が付いた。実際、昔と変わったと感じる部分も増えてきている。私がこのまま過ごした時に、本当に孤独に直面するのはこれからなのだ。幸い、関係の良好な姉がいることは救いである。だが、姉も結婚してしまうかもしれない、この先は何が起こるか分からない。そう考えた時に、このままでは後悔ばかりが残る気がした。
私にも支え合える存在が欲しい、誰かの支えになりたいし、誰かに支えられたい、昔から心の奥にあった欲望だが、自分には縁がないのだと諦めようとしていた。私は弱い人間なので、到底これから先の人生を独りで器用に生き抜いていけるとは思えないのだ。それならばまずはそれを手に入れるための努力をしてみようと思った。
ぼんやりしていた時間があまりにも多すぎた。諦めてるふりをしていただけで、本当はまだ自分の人生を諦められない気持ちが残っているのだ。あまりにも自分が惨めで情けないし、自分に申し訳ないとさえ思う。これまでぼんやりと過ごしてしまった分、人と上手に付き合い、向き合っていくことから目を逸らした分、私には足りないものだらけだと思う。でも気付いた時が1番若い。今から遅れた分を取り戻せるのかは分からないが、まずはやれるだけの努力をしたいと思った。もし上手くいかなくても、その時は本当に諦められると思うし、今よりは少し器用になれていると信じたい。